アイスセラピーとは、氷や冷水などによる冷却作用を利用して、身体の回復やコンディショニングを促進するリカバリー法の総称です。特にスポーツやトレーニングの現場で広く導入されており、炎症や筋肉損傷の軽減、疲労回復を目的として実施されます。代表的な方法に「アイスバス」(氷水浴)や「アイスパック」(局所冷却)などがあり、氷や冷却装置を用いて皮膚・筋肉を冷却します。疲労や筋肉痛を抑制するほか、運動後のリカバリータイムを短縮させる効果があることが知られています(一般的に5~15℃前後の冷水・アイスバスが用いられる)。
アイスセラピーの効果については、海外プロアスリートやトップスポーツ選手を中心に多数の実践・研究が行われてきました。炎症・筋肉痛の軽減、美容・コンディション維持、ダイエットサポートなど多岐にわたり科学的検証も進んでいます。実際に、運動後のアイスバス(冷水浴)が筋肉損傷や炎症を抑制し、翌日のパフォーマンス維持や故障リスクの軽減につながるなどのデータも報告されています。冷却による血管収縮・拡張の効率的な促進や、筋肉への酸素・栄養供給改善もリカバリー効果を高める根拠となっています。
冷却刺激により、筋肉と周辺組織の炎症反応や二次損傷を抑制できます。低温刺激は感覚神経を鈍らせ、痛みの伝達を減少させるとともに、血管の収縮を一時的に発生させます。これにより腫れや出血の抑制、老廃物や炎症物質の排出が促進され、筋肉修復をスムーズにします。また、冷却後の徐々な再加温によって血行が促進され、リカバリー効果が強まる科学的根拠も存在します。水圧効果(静水圧)も加わることで、リンパ循環や血液循環が改善されます。副交感神経優位に切り替わることで睡眠の質向上やリラックス効果も期待されています。