アンダーハンドチンニング(逆手懸垂)は、自体重を利用したプル系のトレーニングで、懸垂バーを逆手(手のひらを自分側に向ける)で握って行う種目です。通常のオーバーハンドグリップ(手のひらが前向き)の懸垂に比べ、上腕二頭筋の関与が強くなり、腕の筋肉と背中の筋肉をバランスよく鍛えることができます。懸垂種目の中でも比較的取り組みやすく、初心者の導入から上級者の筋肥大トレーニングまで幅広く利用されています。
バーを肩幅程度で逆手に握り、腕を伸ばした状態から身体を引き上げていきます。あごがバーを超える位置まで引き上げたら、コントロールしながら元の姿勢に戻します。動作はシンプルですが、自重で行うため負荷は高く、腕と背中の協調した力が必要です。筋力レベルに応じて加重や補助バンドを用いることで負荷調整が可能です。
主に働く筋肉は広背筋と上腕二頭筋です。逆手で握ることで二頭筋への刺激が強まり、腕の太さを出すトレーニングとしても有効です。また、僧帽筋、菱形筋、前腕筋群も補助的に働き、上半身全体の引く動作を強化します。特に広背筋を厚み・幅ともにバランスよく発達させたい場合に効果的です。
バーを肩幅程度で逆手に握り、腕を完全に伸ばしてぶら下がった状態からスタートします。胸を張り、背中を軽く反らせながら引き上げ、あごをバーの高さまで持っていきます。この際、反動を使わずに筋肉の収縮で身体を持ち上げることが重要です。降ろすときは勢いで落とさず、コントロールしながら腕を伸ばして元の姿勢に戻します。
これらのミスを避けるには、背中と腕をバランスよく使い、ゆっくりとしたテンポで動作を行うことが重要です。
アンダーハンドチンニングは背中の日のメイン種目や、腕の補助トレーニングとして有効です。広背筋を狙う場合は高重量・低回数(5〜8回)、腕を重点的に鍛えたい場合は中重量・中回数(8〜12回)が適しています。週に2〜3回、2〜4セット取り入れるとバランスの取れた発達が期待できます。
A1. 腕(上腕二頭筋)にも強い刺激が入りますが、広背筋をはじめとする背中全体も鍛えられる複合種目です。
A2. はい。補助バンドやチンニングマシンを使えば初心者でも安全に取り組めます。
A3. 週2〜3回が目安で、筋肉の回復を考えて48時間以上の休養を挟むことが望ましいです。