インクラインダンベルフライは、インクラインベンチを使用して大胸筋上部を重点的に鍛えるフライ系の種目です。フラットベンチで行うダンベルフライに比べてベンチの角度をつけることで、胸の上部に強いストレッチと収縮を与えることができます。大胸筋を引き締めたい人や、立体感のある胸板を作りたい人にとって欠かせないトレーニングのひとつです。
インクラインベンチを30〜45度に設定し、ダンベルを両手に持って胸の真上で構えます。そこから両腕を左右に大きく開き、胸をしっかりとストレッチさせた後、再び元の位置に戻します。プレス種目と異なり、肘をほぼ固定して動作を行うため、大胸筋にピンポイントで刺激を与えられます。
メインターゲットは大胸筋上部です。ベンチの角度によって負荷が胸の上部に集中するため、厚みのある胸板やシルエットの整った体型を作るのに効果的です。また、三角筋前部や上腕二頭筋も補助的に動員されますが、主役はあくまでも大胸筋です。プレス系種目では得られにくい強いストレッチ刺激が得られる点が特徴です。
インクラインベンチに深く座り、背中とお尻をしっかり固定します。ダンベルを胸の上で構え、肘を軽く曲げた状態をキープします。そこから息を吸いながら両腕をゆっくり開き、胸を大きく広げるイメージでストレッチをかけます。肘が肩の高さまで来たら止め、息を吐きながら胸の収縮を意識してダンベルを元の位置に戻します。
これらのミスを避けるためには、肘を軽く曲げて固定し、胸を広げる意識を持ちながらゆっくりと動作することが重要です。
インクラインダンベルフライは胸の補助種目として位置づけられます。フラットやインクラインのプレス種目を行った後に取り入れることで、大胸筋をさらに追い込むことができます。10〜15回を1セットとし、2〜3セットを目安に行うのが効果的です。フォームを意識することが最優先のため、重量は控えめに設定することを推奨します。
A1. プレスは押し上げる動作で大胸筋と上腕三頭筋も強く関与しますが、フライは胸の開閉動作で大胸筋をピンポイントに刺激します。
A2. 一般的には30〜45度が最適です。角度が急すぎると肩への負担が増えるため注意が必要です。
A3. いいえ。フォームが崩れると肩を痛めやすいため、軽〜中重量で丁寧に行うのが推奨されます。