インターナルフォーカス(Internal Focus)とは、運動学習やトレーニングの場面で「自分の身体そのものの感覚や部位の動き」に意識を向ける注意の向け方を指す。読み方は「インターナルフォーカス」、英語表記は「Internal Focus」。たとえばスクワットで「大腿四頭筋を意識して使う」といったように、筋肉や関節の働きに直接集中するのがインターナルフォーカスである。これに対して「外部環境や動作の結果」に意識を向ける方法はエクスターナルフォーカス(External Focus)と呼ばれ、両者はスポーツ心理学・コーチング科学の分野で広く研究されている。
運動制御理論において、インターナルフォーカスは「身体内部への意識集中」を促す戦略とされる。脳内の運動野や感覚野の活動が強調され、運動に関与する筋群を明確に意識することで、動作の学習や筋力発揮の調整が行われやすくなると考えられている。ただし、過度に意識を内側に集中させすぎると、運動の自動性が低下して動作効率が下がる場合もある。このため、トレーニングの目的や段階に応じた使い分けが推奨される。
インターナルフォーカスは以下のように活用される。
一方、競技パフォーマンスのように素早く自動的な動作が求められる場面では、エクスターナルフォーカスが有効とされることも多い。
インターナルフォーカスのメリットは以下の通りである。
このように、特に筋力トレーニングやフォーム矯正、リハビリなどにおいて重要な意義を持つ。
インターナルフォーカスに関しては以下のような誤解がある。
研究では、筋肥大目的のトレーニングではインターナルフォーカスが対象筋の筋電図活動を高めることが報告されている。一方で、ジャンプやスプリントといったパフォーマンス課題では、エクスターナルフォーカスの方が動作効率や結果が良好であるとされている。実際の現場では、ボディビルダーは「効かせる意識」を強調する傾向があり、アスリートは競技動作の自動性を重視してフォーカスの使い分けを行っている。
A1. はい。対象筋への意識を高めることで筋活動が増大し、筋肥大効果を高める可能性があります。
A2. 技術習得やリハビリの段階では有効ですが、試合本番や爆発的動作ではエクスターナルフォーカスの方が適している場合があります。
A3. はい。初心者は身体の動かし方を学ぶ段階にあるため、インターナルフォーカスはフォーム習得に役立ちます。