ウィンドスプリント(Wind Sprint)とは、全力疾走ではなく7〜8割程度の力で短い距離を繰り返し走るスプリントトレーニングを指す。読み方は「ウィンドスプリント」、英語表記は「Wind Sprint」。陸上競技や球技スポーツにおいて、心肺機能やスピード持久力を強化する目的で取り入れられるほか、クールダウンや技術練習の一環としても活用される。短距離ダッシュとジョギングの中間に位置するトレーニングであり、筋肉や関節への負担を抑えつつスプリント能力を高める手段として知られている。
運動生理学的にウィンドスプリントは、有酸素系と無酸素系をバランスよく刺激するトレーニングである。最大疾走ほどの負荷はかからないため乳酸の急激な蓄積を抑えつつ、速筋線維を動員しスピード持久力を高めることができる。また、反復的な疾走により心拍数のコントロール能力やリカバリー能力が向上するため、競技パフォーマンスや基礎体力の底上げにつながる。
ウィンドスプリントの実践方法はシンプルであり、主に以下のように行われる。
サッカーやラグビーなど球技選手は試合に近い「断続的疾走」に対応する能力を養う目的で、陸上短距離選手は技術練習やリズム作りとして導入することが多い。
ウィンドスプリントのメリットは以下の通りである。
これにより、競技力の向上だけでなく、一般トレーニングにおける健康維持や基礎体力づくりにも役立つ。
ウィンドスプリントについては以下の誤解や注意点がある。
研究では、ウィンドスプリントの導入が最大酸素摂取量(VO₂max)の改善やスプリント能力の維持・向上に有効であるとされている。サッカー選手を対象とした実験では、断続的なスプリント走の反復能力が向上し、試合中の走行パフォーマンスに好影響を与えることが示されている。陸上短距離選手の間でも、疲労を溜めずにスピード感覚を養う目的で日常的に活用されている。
A1. 全力ダッシュは最大スピードを狙う練習であり、ウィンドスプリントは70〜80%強度で反復的に走る点が異なります。
A2. 体力や目的に応じますが、10〜20本程度が一般的です。初心者は5本前後から始めると良いでしょう。
A3. はい。有酸素性と無酸素性の両方を刺激するため、脂肪燃焼や代謝改善にも効果が期待できます。