エンドクライン(Endocrine)は、日本語で「内分泌系」と呼ばれる。読み方は「エンドクライン」。英語表記は「Endocrine System」。内分泌系とは、体内に存在するホルモン分泌腺やホルモン自体を指し、血液を介して標的組織や器官に情報を伝達するシステムである。神経系とともに生体の恒常性(ホメオスタシス)を維持する重要な役割を果たす。
内分泌系はホルモンを分泌する腺(内分泌腺)から構成される。代表的な内分泌腺には以下がある。
ホルモンは血流に乗って全身を循環し、特定の受容体を持つ標的細胞に作用することで、代謝、成長、ストレス応答、生殖機能などを調整する。
運動は内分泌系に強い影響を与える。例えば、高強度運動はアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を促し、エネルギー動員を助ける。筋トレは成長ホルモンやテストステロンの分泌を刺激し、筋肥大や回復を促進する。有酸素運動はインスリン感受性を高め、血糖コントロールに寄与する。このように、運動は内分泌系を介して代謝や体組成、回復力に影響を及ぼす。
内分泌系の理解は、健康維持とパフォーマンス向上の両面で重要である。スポーツにおいてはホルモン応答が筋力強化や持久力向上を支える。さらに、日常生活ではストレスホルモンのコントロールや血糖値の安定に関わり、肥満や糖尿病、過労といった健康問題にも直結する。適切なトレーニングや休養を通じて内分泌系を整えることは、競技者だけでなく一般人にとっても不可欠である。
研究によると、レジスタンストレーニングは急性の成長ホルモン分泌を増加させることが報告されている。また、有酸素運動はインスリン感受性を改善し、糖尿病予防に有効であることが確認されている。さらに、ストレス下での過剰なコルチゾール分泌が筋分解や免疫低下につながることも知られており、ホルモンバランスを整えることが健康管理に不可欠である。
「ホルモンは常に一定に分泌されている」と誤解されがちだが、実際には運動や食事、睡眠、ストレスなどの影響を受けて変動する。また、ホルモンバランスが崩れると肥満、糖尿病、甲状腺疾患などにつながる可能性がある。サプリメントや薬剤による安易なホルモン操作は副作用のリスクがあるため、基本は生活習慣の改善と適切なトレーニングが推奨される。
A1. ホルモンを介して代謝、成長、ストレス応答、生殖機能などを調整し、体の恒常性を維持します。
A2. 成長ホルモン、テストステロン、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどです。
A3. 適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事、ストレス管理が重要です。