トレーニング概念・理論・動作

オンシーズン

オンシーズンとは？

オンシーズンとは、競技スポーツやボディビルディングなどにおいて、試合や大会が開催される期間、あるいは大会やイベントに向けて身体を仕上げる期間を指す。英語では「On-Season」と表記され、読み方は「おんしーずん」。特にボディビルディングやフィジークの分野では「減量期」とほぼ同義で使われ、体脂肪を落とし筋肉を明確に見せるための食事制御やトレーニングが中心となる。

理論的な背景・概要

運動生理学的に、オンシーズンは筋肉量を維持しつつ体脂肪を削減することが目的とされる。エネルギー収支をマイナスにするため、食事ではカロリー制限や栄養素の調整が重視される。また、トレーニングは高強度を維持しながらもボリュームや頻度を調整し、筋分解を最小限に抑える工夫が行われる。コンディショニングの観点からは、疲労管理や水分調整も重要であり、大会直前には「ピーキング」と呼ばれる特殊な調整期を設けることも多い。

トレーニングや動作への応用

オンシーズンでは、筋量を維持するために重量トレーニングを継続することが重要である。一方で、体脂肪を落とすために有酸素運動が多く取り入れられる。ボディビルダーの場合、食事制御（カーボコントロール、ナトリウム・水分調整など）とあわせて有酸素運動を段階的に増やしていく。競技スポーツ選手においては、試合に向けたスピード練習や戦術的な調整が行われるため、トレーニングは「仕上げ」の段階となる。

メリットと意義

オンシーズンの意義は、目標とする試合や大会で最高のパフォーマンスやコンディションを発揮することにある。ボディメイク競技では筋肉の輪郭を最大限に際立たせ、審査に適した身体をつくり上げる。スポーツ競技では、シーズン中にコンディションをピークに持っていくため、オフシーズンで培った基礎力を活かしながら試合で結果を出すことが目標となる。

よくある誤解や注意点

オンシーズンに関しては「食事を極端に減らせば早く仕上がる」「有酸素運動を増やせば良い」といった誤解が多い。しかし実際には、過剰な食事制限や過度な有酸素運動は筋肉量の減少やホルモンバランスの乱れを招き、パフォーマンス低下につながる。また、長期間の過酷な減量は心理的ストレスや摂食障害のリスクを高める。

• 極端なカロリー制限は筋肉量の減少を招く
• オフシーズンとの切り替えを計画的に行うことが重要
• 大会直前はピーキング戦略を誤ると逆効果になる

関連する研究や実例

ボディビルダーを対象とした研究では、オンシーズンの減量期において筋量を維持するためには高タンパク食と適度なカロリー制御が重要であることが示されている。さらに、有酸素運動とレジスタンストレーニングを組み合わせることで脂肪燃焼を効率化できることも報告されている。実例として、多くの競技者はオフシーズンに基礎体力と筋量を蓄え、オンシーズンに減量と仕上げを行うサイクルを毎年繰り返している。