オーバーヘッドプレス(ミリタリープレスとも呼ばれる)は、バーベルやダンベルを肩の位置から頭上へ押し上げるプレス種目です。肩の筋肉をメインに鍛える代表的なトレーニングであり、上半身のプレス系種目の基礎ともいえる存在です。軍隊の体力訓練でよく行われていたことから「ミリタリープレス」という名称がつけられています。
肩幅程度のスタンスで立ち、バーベルまたはダンベルを肩の高さで構えます。そこから真上に押し上げ、肘を伸ばして頭上に固定します。動作中は体幹を安定させ、腰を反らせすぎないことが重要です。立位で行うスタンディングバージョンと、座って行うシーテッドバージョンがあります。
メインターゲットは三角筋前部と中部です。さらに、補助的に上腕三頭筋、僧帽筋上部、前鋸筋なども関与します。特に立位で行う場合は、体幹の安定性が求められるため、腹直筋や脊柱起立筋などの体幹筋群も同時に鍛えられます。肩のボリュームアップや押す動作の強化に効果的です。
足を肩幅程度に開き、バーベルを肩の高さでラックアップします。胸を張り、息を吸いながら体幹を安定させ、息を吐きながらバーベルを頭上に押し上げます。このとき、顎を引いてバーの軌道をまっすぐに保つのがポイントです。肘を完全にロックせず、肩に負担をかけない範囲でフィニッシュポジションを維持します。
体幹をしっかり固め、正しい軌道でバーを押し上げることが安全で効果的に行うためのポイントです。
オーバーヘッドプレスは肩のメイン種目として、トレーニングの序盤に取り入れるのが一般的です。8〜12回を1セットとして3〜4セット行うと筋肥大に適しています。ベンチプレスなどのプレス種目と組み合わせることで、上半身の押す力を総合的に強化できます。体幹強化を狙う場合は立位、重量を扱いたい場合は座位で行うと良いでしょう。
A1. 厳密にはミリタリープレスは足を揃えて直立で行う方法を指し、オーバーヘッドプレスは足幅を広げてもよい一般的な呼び方です。動作自体はほぼ同じです。
A2. 体幹を鍛えたい場合は立位、安定してフォームを習得したい場合は座位がおすすめです。
A3. はい。ベンチプレスは胸と三頭筋を、オーバーヘッドプレスは肩をメインに鍛えるため、併用することで押す力を総合的に強化できます。