コートリーニング(Circuit Training)は、日本語では「サーキットトレーニング」とも呼ばれ、複数の異なる運動種目を順番に組み合わせて行うトレーニング方式を指します。英語表記は「Circuit Training」です。読み方は「サーキットトレーニング」が一般的ですが、略して「コートリーニング」と表記される場合もあります。このトレーニングの特徴は、筋力トレーニングと有酸素運動を交互に行うことで、筋力・持久力・心肺機能を同時に高められる点にあります。
コートリーニングは運動生理学やスポーツ科学の観点から、複合的な身体能力の向上を目的として開発されました。基本的な理論背景としては、筋力トレーニングによる筋線維の刺激と、有酸素運動による心肺機能の向上を同時に行うことで、短時間で全身を効率的に鍛えることが可能です。また、循環器系の負荷を持続的に与えることで、心拍数を一定の範囲に保ち、有酸素運動効果を最大化することができます。サーキット形式は時間効率が良く、インターバルを短く設定することで代謝向上や脂肪燃焼にも効果があります。
コートリーニングはジムやスポーツ施設で器具を用いて行うことも、器具を使わず自重トレーニングで行うことも可能です。基本的な構成は、複数のステーション(種目ポイント)を設け、各ステーションで一定時間運動し、次のステーションへ移動するというサイクルを繰り返します。例えば、スクワット、プッシュアップ、ジャンピングジャック、バーピー、腹筋運動などを順に行い、全身を効率的に鍛えます。スポーツ現場では、持久力と瞬発力を同時に高めたいアスリートや、短時間で心肺機能と筋力を強化したいトレーニーに活用されています。
コートリーニングのメリットは多岐にわたります。全身をバランスよく鍛えられるため、筋力の偏りを防ぎ、体幹の安定性や関節の柔軟性も向上します。心肺機能の向上により持久力も高まり、脂肪燃焼効果や基礎代謝の増加にも寄与します。また、複数の種目を連続して行うため、飽きにくく運動習慣を維持しやすい点も特徴です。スポーツパフォーマンスの向上や健康維持、リハビリテーション、ダイエットなど、幅広い目的で応用可能です。
よくある誤解として、コートリーニングは「筋肉を大きくするだけの筋トレ」や「有酸素運動のみ」と考えられがちですが、正しくは筋力・持久力・心肺機能をバランスよく向上させるトレーニングです。注意点としては、種目間のフォームや負荷を無視して速さだけを重視すると、関節や筋肉を痛めるリスクがあります。また、体力レベルに合わない負荷設定や休憩不足は、疲労やオーバートレーニングにつながるため、段階的に負荷を調整することが重要です。
研究では、コートリーニングは従来の筋力トレーニングや持久力トレーニングに比べて、短時間で全身の筋力・心肺機能・体組成を効率的に改善できることが示されています。特に学生やアスリートを対象とした研究では、瞬発力や柔軟性の向上に加え、体脂肪率の低下や筋持久力の改善が報告されています。実際のスポーツチームでは、プレシーズンの体力向上やコンディショニングにサーキットトレーニングを組み込む事例が多く、心拍数を一定範囲に保ちながら筋力を鍛える方法として活用されています。
A1. はい。自重運動から始め、ステーション数や時間を調整することで初心者でも実施可能です。
A2. 軽度の負荷であれば可能ですが、筋力・心肺機能の回復を考慮し、週2〜4回が推奨されます。
A3. 筋肥大には高負荷のセットトレーニングが中心ですが、サーキットトレーニングも補助的に活用できます。