サムアラウンドグリップ

サムアラウンドグリップとは?

サムアラウンドグリップは、ウエイトトレーニングやバーベルトレーニングにおいて使用される握り方の一種です。英語では「Thumb Around Grip」と表記され、日本語では「親指を回す握り方」とも呼ばれます。このグリップは、バーベルやダンベルを握る際に親指をバーの周りに回してしっかりと握る方法で、力の伝達が安定しやすく、特にデッドリフトやプルアップ、バーベルカールなどで使われます。一般的に、親指をバーの反対側に回すことで手首の負担を軽減し、握力をサポートする特徴があります。

理論的な背景・概要

運動生理学の観点から、サムアラウンドグリップは手部の筋群、特に前腕屈筋群や手指の屈筋に対する負荷を均等化する効果があります。握力が弱いとウエイトの保持が困難になり、トレーニングのパフォーマンスが制限されることがあります。サムアラウンドグリップは、親指をバーに回すことで手の平全体を使ったホールドを可能にし、力の伝達効率を高めるとともに、手首の位置を自然な形で固定できるため、長時間のトレーニングでも疲労を分散させやすくなります。

トレーニングや動作への応用

サムアラウンドグリップは、デッドリフトやベンチプレス、バーベルカールなどのトレーニングでよく用いられます。例えばデッドリフトでは、バーを握る際に親指を回すことでバーベルの滑りを防ぎ、より安定した挙上が可能になります。また、プルアップやチンアップでもこの握り方をすることで、前腕の力を十分に活かして体を引き上げることができます。さらに、グリップ力の向上により高重量の扱いや回数の増加が期待でき、筋肥大や筋力向上に貢献します。

メリットと意義

サムアラウンドグリップの最大のメリットは、安定したグリップ力と手首への負担軽減です。通常のオーバーハンドグリップよりもバーの保持が確実になり、握力不足によるトレーニング中断を防ぎやすくなります。これにより、筋力向上や筋肥大の効率が高まります。また、初心者でも比較的自然に握ることができ、手首や前腕の怪我リスクを抑えながら重量を扱いやすくなる点も重要です。

よくある誤解や注意点

サムアラウンドグリップは万能ではなく、過信すると手首の怪我や指関節の負担を引き起こす可能性があります。特にバーベルの重量が非常に重い場合、親指や手首に過剰なストレスがかかることがあります。また、握り方が不十分だとバーが滑りやすく、逆に怪我のリスクが高まります。初心者は、まず軽めの重量で正しい握り方を習得することが重要です。

関連する研究や実例

握力とトレーニングパフォーマンスの関係を調査した研究では、親指をバーに巻きつけたサムアラウンドグリップが、オーバーハンドグリップやフックグリップに比べて握力の保持時間が長く、高重量での挙上に有利であることが示されています。実際にパワーリフティングやボディビルの現場でも、デッドリフトやベンチプレスで安定した挙上を行うために広く採用されています。

よくある質問(FAQ)

Q1. サムアラウンドグリップは初心者でも使えますか?

A1. はい。軽めの重量から始めれば初心者でも使用可能です。

Q2. サムアラウンドグリップとオーバーハンドグリップの違いは?

A2. サムアラウンドグリップは親指をバーに巻きつけるため、握力保持が安定しやすい点が異なります。

Q3. 手首に負担はかかりますか?

A3. 正しいフォームで使用すれば手首への負担は軽減されますが、重量が重すぎる場合は注意が必要です。

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