ツースプリットとは、週のトレーニングメニューを2つのセッションに分割して行う筋力トレーニングのプログラム形式です。英語では「Two-Split Training」と表記され、特定の筋群を集中的にトレーニングしつつ、回復時間を確保することを目的としています。一般的には、上半身と下半身、または押す筋群(プッシュ系)と引く筋群(プル系)に分けることで、1回のトレーニングで全身を無理なくカバーできるよう設計されます。中級者以上や筋肥大を目指すトレーニーに多く利用される方法です。
ツースプリットは、運動生理学に基づく回復と負荷のバランスを重視したトレーニング法です。筋力トレーニングにおいて筋線維に負荷をかけると微細な損傷が生じ、修復の過程で筋肥大や筋力向上が起こります。ツースプリットは、筋群ごとのトレーニング日を分けることで十分な回復時間を確保し、高負荷のセットを安全かつ効率的に実施できる点が特徴です。また、1回あたりのトレーニングボリュームを増やしやすく、筋肥大効果の最大化が狙えます。
ツースプリットでは、例えば上半身の日に胸、背中、肩、腕などをトレーニングし、下半身の日に脚部や腹筋などを集中して鍛えるパターンが一般的です。また、プッシュ系とプル系に分ける方法もあり、ベンチプレスやショルダープレスなどの押す動作を1日、ラットプルダウンやローイングなどの引く動作を別日に行うことで、筋群の疲労を分散させつつトレーニング効率を高めます。この分割法により、週に4〜6回のトレーニングでもオーバートレーニングのリスクを低減できます。
ツースプリットのメリットは、筋群ごとに十分な回復時間を確保できる点にあります。全身を1日で行うフルボディトレーニングと比べ、各筋群への負荷量を増やすことができ、筋肥大や筋力向上を効率的に狙えます。また、時間の制約がある人でも1回のトレーニング時間を短縮しやすく、負荷を集中させることでフォームを維持しやすい点も利点です。さらに、トレーニングプログラムの柔軟性が高く、初心者から上級者まで幅広く適用可能です。
ツースプリットに関しては、「1回のトレーニングで全身を鍛えなくてもよい」と誤解されることがありますが、分割トレーニングでも週単位で全身をカバーする必要があります。また、特定の筋群に偏ったトレーニングや、回復不足のまま次のセッションを行うとオーバートレーニングの原因になります。初心者はまずフルボディトレーニングで基礎筋力をつけてから、ツースプリットに移行するのが理想です。
研究では、ツースプリットはフルボディトレーニングと比較して筋肥大や筋力向上の効果が同等かやや優れることが報告されています。特に中級者以上では、筋群ごとにボリュームを確保できるため、筋肥大効率が向上します。スポーツ現場やボディビル実践者でも、週4〜6回のトレーニングを効率的に行う手法として広く採用されています。分割法により、種目数や負荷量を調整しやすく、筋力向上と筋持久力向上の両立が可能です。
A1. 基礎筋力がついていれば可能ですが、まずはフルボディトレーニングから始めるのがおすすめです。
A2. 60〜90分程度が目安です。筋群ごとにセット数や種目数を調整します。
A3. 週2〜4回が一般的で、上半身と下半身を交互に行います。