ディッピングバー(Dipping Bar)とは、自重トレーニングの一種であるディップス(Dips)を行うために使用される器具です。英語表記は「Dipping Bar」または「Dip Station」とされ、2本の平行したバーを利用して腕や胸、肩、体幹を強化することができます。シンプルな構造でありながら多用途に使えるため、ジムやパーソナルトレーニング施設だけでなく、自宅用トレーニング器具としても人気があります。
ディッピングバーは、2本の平行したバーを両手で握り、体を持ち上げ下ろす運動を行える構造を持っています。バーの高さは一般的に腰から胸の位置に設定されており、安定したフレームに固定されています。家庭用モデルでは、折りたたみ式や高さ調整が可能なタイプも存在します。バーの直径は握りやすいサイズに設計され、滑り止め加工が施されているものもあります。
ディッピングバーの主な用途はディップスで、上腕三頭筋、胸筋、三角筋前部を効果的に鍛えることができます。また、Lシットやレッグレイズなど体幹トレーニングにも応用でき、腹直筋や腸腰筋の強化にも役立ちます。自重トレーニングの器具としては負荷が高めであり、筋力アップや筋肥大を狙う中級者以上にも適しています。さらに、懸垂器具がない環境でも全身をバランスよく鍛えられる点が魅力です。
ディップスを行う際は、バーを肩幅程度に握り、肘を曲げながらゆっくり体を下げていきます。肩や肘に過度な負担をかけないよう、胸を張り体幹を安定させることが大切です。下降時は肘が90度程度になるまで下げ、反動を使わずに上腕三頭筋と胸の力で体を押し上げます。呼吸は下降時に吸い、押し上げ時に吐くのが基本です。
ディッピングバーには固定式のほか、可搬型や高さ調整可能なタイプがあります。パラレルバー(平行棒)やプッシュアップバーも派生的な器具として利用されます。また、ディッピングベルトを併用すれば追加負荷をかけられるため、上級者の筋肥大トレーニングにも対応可能です。家庭用ではコンパクトな「ディップスタンド」と呼ばれるモデルもあり、スペースを取らずに自宅での自重トレーニングに最適です。
初心者は自重で5〜10回を目安に2〜3セットから始め、フォームの習得を優先します。中級者は10〜15回を3〜4セット行い、胸や上腕三頭筋の強化に活用します。上級者はディッピングベルトで加重し、8〜12回の高負荷トレーニングを行うと筋肥大に効果的です。また、体幹種目としてLシットやレッグレイズを組み合わせることで、全身の強化プログラムに組み込むことが可能です。
A1. フォームによって重点が変わります。体をやや前傾させれば胸、垂直を保てば上腕三頭筋に強く効きます。
A2. はい。折りたたみ式やコンパクトなモデルが販売されており、自宅トレーニングに適しています。
A3. 自重で難しい場合は足を床につけて補助したり、アシストバンドを利用すると初心者でも安全に実施できます。