トマチン

トマチンとは?

トマチンは、トマトに含まれる代表的な糖アルカロイド成分であり、ナス科植物特有の配糖体アルカロイドです。ジャガイモに含まれるソラニンと構造が類似しており、植物が昆虫などの外敵から身を守る忌避成分として合成されます。常温で白色結晶性固体として存在し、果実の成長によって含有量が大幅に減少します。花や茎、未熟果実に多く含まれる一方、完熟果実では極めて微量となります。トマチンの生体機能活性が近年注目されており、食品だけでなく医薬・サプリ素材としても研究が進む成分です。

最新情報・トピックス

近年の研究では、トマチンやその誘導体トマチジンがうつ病の予防・改善効果、抗腫瘍活性やLDLコレステロール低下作用など、健康・疾病予防領域でも注目されています。とくにトマチジンはトマチンよりも毒性が低く、機能性食品素材への転用が期待されています。

栄養素・サプリの基本情報

  • 主成分:α-トマチン(トマト由来糖アルカロイド配糖体)
  • 含有形態:未熟果実・花・葉・茎などに多く、完熟果実ではごく微量
  • 加工形態:抽出エキス、粉末、サプリメント(トマト抽出物利用)
  • 配合例:トマト果皮ポリフェノールとの併用、トマチジン含有サプリ等

天然成分由来のため、品質や含有量は原料処理や抽出法により大きく左右されます。

効果・メリット

  • 抗菌・抗ウイルス作用
  • LDLコレステロール低下作用
  • 抗腫瘍・抗がん作用の報告
  • うつ病予防・改善補助(mTORC1経路活性化)
  • 植物由来の防御機能強化、抗酸化

トマチンは本来弱い毒性を持つものの、ヒトでの過剰摂取リスクは非常に低く、機能性食品や健康補助食品として効果が期待されています。

摂取方法・タイミング・推奨量

  • 通常の食事レベルでは過剰摂取のリスクはほとんどない
  • 推奨摂取量は未確立だが、トマト1個(100g)~数個の通常摂取は安全
  • 加工サプリはトマト抽出物として1日3粒(トマト数個分)の摂取が一般的

毒性量はヒトでは非常に多量となるため、食品やサプリの常用レベルで健康被害の心配はありません。

他成分との組み合わせ

  • リコピン:抗酸化・生活習慣病予防
  • ナリンゲニンカルコン(ポリフェノール):皮膚・免疫サポート
  • トマチジン:抗うつ・抗腫瘍作用の相乗効果
  • ビタミンC・E:抗酸化増強サポート

トマチンは他の抗酸化・植物由来成分との相乗的な健康効果が期待されています。

おすすめの食品・サプリ製品例

  • トマト抽出物配合サプリメント(未熟果実由来エキス含有など)
  • トマト果皮ポリフェノール含有サプリ(ナリンゲニンカルコン配合)
  • 健康補助食品:トマチジン含有サプリメント
  • 生鮮トマト(未熟果実:グリーントマト等)

市場では「トマトのちから」などの名称で、トマト抽出物を利用したサプリメント製品が流通しています。

FAQ

  • Q. トマチンに毒性はある?

    A. 未熟果実や花・葉に多く含まれるため、過剰摂取は毒性リスクがありますが、食品レベルの摂取で健康被害はほぼありません。

  • Q. トマチンはどんな効果が期待できる?

    A. 抗菌・抗ウイルス作用やLDLコレステロール低下、うつ病予防などさまざまな機能性が報告されています。

  • Q. トマト製品は毎日食べていい?

    A. 1日1個~数個程度の通常食事は厚生労働省の野菜摂取目標にもかなっており、健康的です。

関連する用語

  • ソラニン
  • トマチジン
  • ナリンゲニンカルコン
  • リコピン
  • 抗腫瘍物質
  • mTORC1(細胞増殖シグナル経路)