トリプルドロップセット

トリプルドロップセットとは?

トリプルドロップセットとは、ドロップセット法の一種であり、重量を3段階にわたって下げながら連続で行うトレーニング方法を指す。英語では「Triple Drop Set」と表記され、読み方は「とりぷるどろっぷせっと」。通常のドロップセットは1回重量を落として行うが、トリプルドロップセットではさらに2回重量を落とし、合計3セットを連続で限界まで行うことで筋肉を強烈に追い込む手法である。主に筋肥大を目的とした中上級者向けのテクニックである。

理論的な背景・概要

運動生理学的にトリプルドロップセットは「代謝ストレス」と「筋線維動員の最大化」を強く狙った方法である。高重量で動員された速筋線維を、重量を下げることで疲労困憊状態でも動作を継続し、最終的に筋肉を完全に疲労させることができる。その結果、筋タンパク質合成の刺激が増大し、筋肥大の効果を高めると考えられている。

トレーニングや動作への応用

トリプルドロップセットは、マシンやダンベルを用いる種目で多く応用される。例えば、ダンベルカールを20kgで限界まで行い、その後15kg、さらに10kgへと落として連続で限界まで行うといった方法である。ベンチプレス、ショルダープレス、ラットプルダウン、レッグプレスなど、多くのアイソレーション種目やコンパウンド種目に適用できる。短時間で強い筋肥大刺激を得たい場合や、通常のセットでは刺激が足りない時に有効である。

メリットと意義

トリプルドロップセットのメリットは以下の通りである。

  • 短時間で強烈な筋肥大刺激を与えられる
  • 筋線維を徹底的に疲労させ、停滞期を打破できる
  • パンプ感が強く得られるため筋肥大を実感しやすい
  • 比較的軽い重量でも高強度トレーニングが可能

よくある誤解や注意点

「トリプルドロップセットを常に行えば筋肥大が加速する」という誤解があるが、過度に行うと疲労が蓄積し、オーバートレーニングやケガのリスクが高まる。また、フォームが崩れやすいため、重量を無理に扱わず正確な動作を意識することが重要である。初心者には強度が高すぎるため、まずは通常のドロップセットに慣れてから段階的に取り入れるのが望ましい。

関連する研究や実例

研究では、ドロップセットを含む多様なセット法は従来のストレートセットよりも筋肥大に有効である可能性が示されている。ただし、最大筋力の向上においては必ずしも優位性があるとは限らない。実際のボディビルの現場では、大会前の仕上げや停滞期の打破、特定部位の追い込みにトリプルドロップセットが利用されている。

よくある質問(FAQ)

Q1. トリプルドロップセットは初心者でも行えますか?

A1. 初心者には強度が高すぎるため推奨されません。まずは通常のストレートセットやシングルドロップセットから始めましょう。

Q2. どのくらいの頻度で取り入れるのが適切ですか?

A2. 週1〜2回、特定部位の追い込みとして取り入れるのが効果的です。全種目で行う必要はありません。

Q3. トリプルドロップセットは筋力アップにも効果がありますか?

A3. 筋肥大には有効ですが、最大筋力の向上にはストレートセットや高重量トレーニングの方が効果的です。

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