トリメチルグリシン(ベタイン)

トリメチルグリシン(ベタイン)とは?

トリメチルグリシン(ベタイン)は、アミノ酸・グリシンの窒素部に三つのメチル基が結合した有機化合物で、「TMG」や「グリシンベタイン」とも呼ばれます。分子内に正負両電荷を持つ双性イオンであり、甜菜(ビーツ)の学名Beta vulgarisに由来し命名されました。天然には植物(甜菜・ホウレンソウ・麦芽など)や海産物(エビ・カニ・タコ・イカ・貝類)など、広範囲で存在し、食品添加物やサプリメントとして健康・運動分野でも注目されている成分です。

栄養素・サプリの基本情報

  • 分類:アミノ酸誘導体(グリシンの派生物)
  • 別名:トリメチルグリシン(TMG)、グリシンベタイン、無水ベタイン
  • 性質:高い吸湿性・水溶性、熱や酸・アルカリに安定
  • 溶解度:水に非常によく溶ける(20℃で100g当たり160g程度)
  • 食品添加物:調味料原料として甘味やうま味、素材の味を引き立てる効果
  • 保湿性:食品や化粧品分野で保湿成分としても利用

ベタインは細胞の浸透圧調節やメチル基供与体として生体反応で活躍します。また、呈味改善や保湿性を活かして水産加工食品・調味料・コスメ成分など多様な用途で利用されています。

効果・メリット

  • 筋肉量増加やトレーニング効果向上(エルゴジェニックエイドとしての報告あり)
  • 脂肪肝予防・肝機能向上、肝硬変・肝炎改善効果
  • 持久力向上、体脂肪燃焼促進
  • 血中ホモシステイン低下(動脈硬化リスク低減)
  • 胃腸機能改善、消化促進作用
  • 甘味・うま味による食品の風味向上
  • 保湿効果(肌や髪の潤い保持にも活用)

ベタインは今やスポーツニュートリション、肝臓の健康維持、糖尿病や動脈硬化予防等、多角的な機能性が認知されています。

摂取方法・タイミング・推奨量

  • 摂取量の目安:1日1g〜2.5g(臨床試験では最大5gまで使用実績あり)
  • トレーニング前やトレ中の摂取が推奨される(筋力・持久力UP目的)
  • EAAやBCAAなどのアミノ酸サプリと併用でもOK
  • サイスタダンの医薬用途:ホモシスチン尿症は1日体重1kgあたり6mgを2回分割服用(医師指示下)
  • 食後30分以内の摂取が胃負担軽減には望ましい

通常食品からの安全な摂取が多く、サプリメントとしては粉末、カプセル、錠剤タイプが流通しています。

他成分との組み合わせ

  • EAA・BCAA(アミノ酸群):筋肉合成効率アップ
  • クレアチン:筋力・筋肥大効果のサポート
  • ビタミン・ミネラル類:肝臓・代謝系の相乗効果
  • コリン:ベタインへの代謝経路が共通・相互補完

アミノ酸複合系・スポーツ向けサプリでは「ベタイン×クレアチン」「ベタイン×EAA」など相性の良い組み合わせが人気です。

おすすめの食品・サプリ製品例

  • 甜菜(ビーツ)、ホウレンソウ、麦類、キノコ、エビ・カニ・イカ・タコ等の海産物
  • Transparent Labs 無水ベタイン(粉末タイプ)
  • BulkSupplements 純粋ベタイン無水粉末(パウダータイプ)
  • オプティマムニュートリション ベタインカプセル(持ち歩き便利)
  • 水産加工食品(カニ風味かまぼこ、イカ塩辛等)

食品由来での摂取はもちろん、純度の高いサプリ製品なら毎日の栄養補給や運動時のサポートに活用できます。

FAQ(よくある質問)

  • Q.ベタインは何のために摂るの?

    A.筋肉量増加、肝臓保護、持久力UP、甘味・うま味の調整や保湿効果のためです。

  • Q.ベタインの安全性は?

    A.通常の食事量で問題はなく、過剰摂取リスクも低い。ただし医薬用途は医師指示に従う。

  • Q.副作用や注意点は?

    A.胃への負担が極稀に報告されるが、摂取量・タイミングを守れば安全。

  • Q.どんな人におすすめ?

    A.筋トレ愛好者、肝臓健康志向者、スポーツ・エンデュランス系補給、血流改善を目指す方など。

関連する用語

  • グリシン(アミノ酸の一種)
  • コリン(脂質代謝関連)
  • ホモシステイン(血管・肝機能関連)
  • クレアチン(筋力増強サプリ成分)
  • SAMe(S-アデノシルメチオニン:メチル化に関与)

関連成分の理解も併せて、最新トピックスや機能性の広がりを押さえ、トリメチルグリシン(ベタイン)サプリ活用に役立てましょう。