栄養素・サプリ

ハイドロキシメチル酪酸（HMB）

ハイドロキシメチル酪酸（HMB）とは？

ハイドロキシメチル酪酸（英語表記：β-Hydroxy β-Methylbutyrate、略称：HMB、読み方：はいどろきしめちるさくさん）は、ロイシンという必須アミノ酸の代謝物として体内で生成される成分で、筋肉の分解抑制や筋力・筋量増加のサポートを目的としたサプリメントとして知られています。特にアスリートやボディメイクを行う人々に広く利用されています。

生理学的・栄養学的な概要

HMBは筋タンパク質の分解を抑制し、筋肉の回復や成長を促す作用を持ちます。体内でロイシンから生成される量は非常に少ないため、サプリメントで補うことで効果的に筋肉保護作用を得ることが可能です。HMBは筋肉のミオフィブリルや細胞膜を安定化させる働きがあるほか、筋肉疲労時の炎症や酸化ストレスの軽減にも関与します。

期待できる効果・メリット

• 筋タンパク質の分解抑制による筋肉量維持
• 筋力や筋パフォーマンスの向上
• 運動後の筋肉回復の促進
• 高齢者や減量中の筋肉減少防止
• 筋トレ初心者や強度の高い運動を行う人の疲労軽減

不足・欠乏や過剰摂取の影響

HMBは体内で生成される量が少なく、通常の食事では十分な量を摂取できません。そのため、サプリメントで補うことが一般的です。過剰摂取による深刻な副作用は報告されていませんが、消化器症状（腹部膨満感、下痢）などが出る場合があります。

摂取方法と推奨量

一般的には1日あたり3gを3回に分けて摂取する方法が推奨されます。運動前後や食間に摂取することで、筋タンパク質合成や分解抑制の効果を最大限に活かせます。パウダータイプやカプセルタイプのサプリメントとして市販されており、水やプロテインと一緒に摂取することも可能です。

トレーニングやダイエットとの関係

HMBは特に筋力トレーニングや高強度運動時に有効で、筋肉の分解を抑えながら筋肥大をサポートします。また、減量中の筋肉減少を防ぐ効果もあり、ダイエットと筋力維持を両立させるために役立ちます。特にトレーニング初心者や高齢者において、筋量維持効果が顕著とされています。

関連する研究・エビデンス

複数の臨床研究で、HMBの摂取が筋肉量維持、筋力向上、筋損傷の軽減に効果があることが示されています。特にトレーニング初心者や減量中の被験者で顕著な結果が報告されており、筋肉分解抑制と回復促進の両面でエビデンスが存在します。

よくある誤解や注意点

「HMBを摂取すれば運動しなくても筋肉が増える」というのは誤解です。HMBはあくまで筋肉保護や回復の補助であり、筋肉を増やすには適切なトレーニングと栄養管理が必要です。また、高用量摂取が必ずしも効果を高めるわけではありません。