ハーブサプリ(英語表記:Herbal Supplement、読み方:はーぶさぷり)は、植物由来の成分を利用したサプリメントの総称です。古来からハーブ(薬草)は民間療法や伝統医学で利用されてきましたが、現代ではサプリメントとして日常的に摂取できる形に加工されています。カプセル、錠剤、液体エキス、パウダーなどの形態で販売され、リラックス、消化促進、免疫サポート、抗酸化など幅広い目的に応じた製品が存在します。代表的なハーブには、エキナセア、セントジョーンズワート、ジンセン、アシュワガンダ、ギンコビロバ(イチョウ葉)などがあります。
ハーブサプリの有効成分はアルカロイド、ポリフェノール、サポニン、フラボノイド、精油成分など多岐にわたり、それぞれが抗酸化、抗炎症、神経伝達調整、ホルモン調節といった作用を持ちます。例えばギンコビロバは血流改善、セントジョーンズワートはセロトニン調節、アシュワガンダは副腎のストレス反応抑制などを通じて作用します。食品と薬の中間に位置づけられる成分群です。
ハーブは必須栄養素ではないため欠乏症は存在しませんが、過剰摂取や長期使用により副作用が出る場合があります。例えばセントジョーンズワートは薬との相互作用が多く、抗うつ薬や避妊薬の効果を弱めることがあります。ジンセンは高用量で不眠や動悸を引き起こすことがあり、カモミールはアレルギーを誘発する場合があります。
製品ごとに濃度や成分が異なるため、一律の推奨量はありません。一般的には製品ラベルに記載された用量を守ることが推奨されます。ハーブティーとして飲む場合は1日1〜2杯程度、サプリメントの場合は1日1〜3カプセル程度が目安となります。
アシュワガンダやロディオラはアダプトゲンとしてトレーニング時のストレス耐性や回復をサポートします。ジンセンは持久力やエネルギー代謝をサポートする効果が期待されます。ダイエットでは緑茶エキスやガルシニアなどが脂肪燃焼や食欲抑制を目的に利用されています。
イチョウ葉エキスは認知症患者の記憶改善や脳血流改善効果が複数の研究で報告されています。アシュワガンダはストレスホルモンであるコルチゾールの低下や筋力増強に寄与することが示されています。エキナセアは風邪の予防や症状軽減に効果があるとされる一方で、結果は研究によってばらつきがあります。
「ハーブだから副作用がない」というのは誤解です。天然成分であっても薬理作用があり、薬との相互作用や体質によって健康に影響することがあります。また「即効性がある」と思われがちですが、多くは継続的に摂取して効果が現れるものです。
A1. ハーブによっては薬の効果を強めたり弱めたりすることがあります。特にセントジョーンズワートは多くの薬と相互作用があるため注意が必要です。
A2. 一部のハーブは妊娠中に安全性が確立されていないため、妊婦の方は必ず医師に相談してください。
A3. 成分は共通する場合がありますが、濃度や吸収性が異なります。サプリは有効成分を濃縮しているため、より安定した効果が期待できます。