バーンアウトセットとは、トレーニングの一種で、筋肉が限界に達するまで反復を続けるセット法を指す。英語では「Burnout Set」と呼ばれ、読み方は「ばーんあうとせっと」。重量を落としながら限界まで行う場合や、同じ重量で力尽きるまで行う場合などがある。目的は、筋肉を「燃え尽きる(バーンアウト)」状態に追い込み、強い代謝ストレスと筋疲労を引き起こすことで、筋肥大や持久力向上を促す点にある。特にボディビルディングの補助的テクニックとして広く用いられている。
運動生理学的に、筋肥大は「メカニカルテンション」「代謝ストレス」「筋損傷」の3要素が大きく関与する。その中でバーンアウトセットは、筋肉内の乳酸蓄積や酸素不足を引き起こし、代謝ストレスを強烈に高める方法である。また、限界を超える反復によって遅筋線維から速筋線維まで動員が進み、より多くの筋繊維に刺激が届くとされる。ただし、強い疲労を伴うため、神経系や回復能力に大きな負担がかかることも特徴である。
バーンアウトセットは、アームカールやレッグエクステンションなど単関節種目で用いられることが多い。例えば、10回の限界重量を行った後に軽重量に切り替え、さらに力尽きるまで反復する。ベンチプレスやスクワットといったコンパウンド種目でも実施できるが、高重量種目では疲労によりフォームが崩れやすいため注意が必要である。多くの場合、トレーニングの仕上げ(フィニッシャー)として導入され、強いパンプ感と達成感を得やすい。
バーンアウトセットのメリットは以下の通りである。第一に、代謝ストレスを最大限に高め、筋肥大を強く刺激できる。第二に、通常のトレーニングでは得られない強いパンプ感を得られる。第三に、筋持久力の向上にも寄与する。第四に、精神的な達成感が大きく、モチベーション向上につながる。これらの理由から、停滞期を打破するテクニックとして多くのトレーニーに活用されている。
バーンアウトセットについては以下の誤解や注意点がある。
研究では、筋肥大の観点から「限界まで行うトレーニング」は確かに有効であることが示されている。ただし、長期的に見ると毎回限界まで追い込む方法は回復を阻害し、継続的なパフォーマンス低下を招くリスクも指摘されている。実際のボディビルダーやフィジーク選手は、シーズン中や停滞期の突破法としてバーンアウトセットを部分的に取り入れているが、メインプログラムはあくまで通常の漸進的過負荷を基盤としていることが多い。
A1. 初心者には推奨されません。まずは正しいフォームと基本的な筋力を養うことが優先です。
A2. 目安は週1回程度、特定の部位や停滞期打破を目的に取り入れるのが推奨されます。
A3. アームカールやレッグエクステンションなど、単関節種目で特に効果的です。