パーソナルレップスとは、トレーニングにおいてトレーナーや補助者のサポートを受けながら行う追加反復動作を指す。英語では「Personal Reps」あるいは「Assisted Reps」と表記されることもある。読み方は「ぱーそなるれっぷす」。通常の限界まで自力で行った後に、補助を受けて数回の追加レップを行うことで、筋肉に対して限界を超えた刺激を与える方法であり、特にボディビルディングの世界で多用されるテクニックである。
運動生理学的には、筋肥大は「メカニカルテンション(機械的張力)」「筋損傷」「代謝ストレス」の3要素に強く関与している。パーソナルレップスは、限界を超えた追加反復によりこれらの刺激を最大化することを目的とする。特に、通常では疲労により動員されにくい高閾値運動単位(速筋繊維)を活性化しやすく、筋肥大に効果的であるとされる。一方で、過度な実施は中枢神経系や回復能力に大きな負担をかけるため、適切な頻度と計画性が求められる。
パーソナルレップスは主にベンチプレスやスクワット、ショルダープレスなど高重量のコンパウンド種目で用いられる。トレーナーやスポッターがわずかに補助することで、本人は通常不可能な重量や回数を達成できる。また、アームカールやレッグエクステンションといった単関節種目でも応用可能で、筋肉に強いパンプ感を与えやすい。一般的には筋肥大フェーズの中級者〜上級者向けのテクニックとされる。
パーソナルレップスのメリットは以下の通りである。第一に、自力では到達できない限界超えの刺激を与えられるため、筋肥大に強い効果をもたらす。第二に、スティッキングポイント(動作が止まりやすい局面)の克服に役立つ。第三に、トレーナーや補助者が介在することで安全性が確保され、心理的な安心感を持って高強度に挑戦できる。これにより、停滞期の突破や筋肉の新たな成長を促す意義がある。
パーソナルレップスに関しては、以下のような誤解や注意点がある。
スポーツ科学の研究では、通常の限界回数を超えて補助を受けながら行うレップは、筋肥大刺激を強める可能性があるとされている。ただし回復コストが大きいため、長期的な成長には計画的な周期化が必要とされる。実際のボディビルダーやパワーリフターは、パーソナルレップスを週の特定セッションに取り入れることで停滞期を打破し、競技パフォーマンスの向上に役立てている。
A1. いいえ。初心者はまずフルレンジでの正しいフォームと基本的な筋力を習得することが優先です。
A2. 目安としては週1回程度、特定の部位や停滞打破を目的に取り入れるのが推奨されます。
A3. ベンチプレス、スクワット、ショルダープレスなどの高重量コンパウンド種目で特に効果的です。