フィッシュオイル(Fish Oil、フィッシュオイル)は、魚の脂肪組織や肝臓から抽出される油で、主にサーモン、サバ、イワシ、ニシンなどの青魚に多く含まれています。日本語では「魚油」とも呼ばれ、健康補助食品やサプリメントとして広く利用されています。特に、オメガ3系脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれており、これらの成分が心血管系の健康や脳機能に有益であることが知られています。
フィッシュオイルに含まれるEPAとDHAは、細胞膜の構成要素として重要であり、抗炎症作用や血液の流動性改善に寄与します。EPAは血小板の凝集を抑制し、血流をスムーズにする働きがあり、DHAは脳や網膜に多く存在し、神経伝達や視覚機能に重要です。これらの脂肪酸は体内で十分に合成できないため、食事やサプリメントからの摂取が必要です。
フィッシュオイルの摂取によって期待される効果は多岐にわたります。
不足すると、心血管系の健康リスクが高まり、脳や視覚機能の低下が懸念されます。逆に過剰摂取すると、出血傾向の増加や消化器系の不調、免疫機能の抑制が起こる可能性があります。特に抗凝固薬を服用している人は注意が必要です。
食事由来では、サーモン、サバ、イワシ、アジなどの青魚を週2〜3回程度食べることが推奨されます。サプリメントとしては1日あたりEPAとDHAの合計で250〜1000mg程度が一般的な目安とされますが、医師や専門家の指導のもとで摂取することが望ましいです。
フィッシュオイルは、筋肉の炎症やダメージの回復を助け、トレーニング後の疲労軽減に役立ちます。また、脂肪燃焼や代謝改善にも寄与することが報告されており、ダイエット中のサポート成分としても注目されています。アスリートや筋トレ愛好者にとっても有効なサプリメントです。
多くの臨床研究により、フィッシュオイルの心血管保護効果や抗炎症作用が確認されています。例えば、EPAを多く含む製剤は心筋梗塞の二次予防に有効であると報告されています。また、DHA摂取が認知機能の維持やアルツハイマー型認知症予防に役立つ可能性も示されています。
「フィッシュオイルを飲めば必ず痩せる」や「副作用が全くない」といった誤解があります。実際には摂取量や個人差によって効果が異なり、出血リスクや胃腸への負担もあるため、過剰な摂取は避ける必要があります。
A1. 適量であれば毎日摂取可能ですが、過剰摂取は出血傾向などのリスクがあるため注意が必要です。
A2. 魚を週2〜3回しっかり食べていればサプリは必須ではありませんが、不足しがちな場合は補助的にサプリが有効です。
A3. 食事に合わせて摂取するのが基本ですが、運動後に摂ることで炎症軽減や回復をサポートする効果が期待できます。