フィールドトレーニングとは、体育館やトレーニングジムといった室内施設ではなく、屋外のグラウンドやフィールドを活用して行うトレーニング方法を指す。英語では「Field Training」と表記され、日本語では「野外トレーニング」「フィールドワークトレーニング」とも呼ばれる。読み方は「ふぃーるどとれーにんぐ」。自然環境や広いスペースを活かし、走る・跳ぶ・投げるなどの動作を中心に、持久力、瞬発力、アジリティ、チーム戦術理解などを高めるのに適している。
運動生理学的には、フィールドトレーニングは有酸素運動と無酸素運動を状況に応じて組み合わせられる点に特徴がある。スポーツ科学の観点では、競技特性に即した「動作の特異性原則」に基づき、試合や実戦に近い環境で身体を動かすことで、神経系・心肺機能・筋力を統合的に発達させるとされている。また、不規則な地面や天候といった自然条件も、身体の適応力を高める要素となる。
フィールドトレーニングは以下のように応用される。
このように、競技スポーツの基礎から実戦的要素まで幅広く取り入れることができる。
フィールドトレーニングのメリットは以下の通りである。
単なる筋力トレーニングでは得られない「実際に使える身体能力」を高めることに大きな意義がある。
誤解されやすい点は「フィールドトレーニング=走り込み中心」と思われることである。実際にはアジリティドリルやプライオメトリクス、戦術練習など多様な方法が存在する。また屋外環境は天候や気温の影響を強く受けるため、熱中症や低体温症への対策が不可欠である。さらに、不整地でのトレーニングでは足首や膝の怪我に注意する必要がある。
スポーツ科学の研究では、フィールドトレーニングを通じた高強度インターバル走(HIIT)が心肺機能や脂肪燃焼に有効であることが報告されている。また、チームスポーツの現場では「スモールサイドゲーム(少人数制ゲーム形式練習)」を導入することで、技術・戦術・フィットネスを同時に高められる実例がある。軍事訓練や消防士の養成でも、実戦環境を模したフィールドトレーニングが標準的に採用されている。
A1. 筋肥大には直接的な効果は小さいですが、補助的に筋持久力や心肺機能を高めることで、ジムでの筋肥大トレーニングを支える役割があります。
A2. はい。ウォーキングやジョギング、簡単なアジリティドリルなどから始めれば誰でも取り入れられます。
A3. ジムトレーニングは器具を使った筋力強化が中心で、フィールドトレーニングは広いスペースを活用した実践的な動作や持久力向上が中心です。