栄養素・サプリ

マグネシウムグリシネート

マグネシウムグリシネートとは？

マグネシウムグリシネート（Magnesium Glycinate）は、マグネシウムとアミノ酸のグリシンが結合したキレート型サプリメントです。吸収率が高く、胃腸への刺激が少ないことから、マグネシウム不足を効率的に補給する目的で用いられます。通常の酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウムに比べて消化吸収がスムーズで、下痢などの副作用が起こりにくいとされています。

生理学的・栄養学的な概要

マグネシウムグリシネートは、体内でマグネシウムイオンとして吸収され、筋肉・神経・心臓・骨などに分布します。マグネシウムはATP生成、タンパク質合成、神経伝達、筋収縮などに不可欠で、グリシンは中枢神経系の鎮静作用や抗酸化作用を持つアミノ酸です。この結合により、吸収効率が向上するとともに、神経のリラックス効果も期待できます。

期待できる効果・メリット

マグネシウムグリシネートは、筋肉のこわばりやけいれんの軽減、睡眠の質向上、ストレス緩和、疲労回復、心拍リズムの安定などの効果が期待されます。また、消化器への負担が少ないため、胃腸が敏感な人でも安心して摂取できる点がメリットです。運動後の回復やダイエット中の栄養補給にも適しています。

不足・欠乏や過剰摂取の影響

不足すると筋肉のけいれん、疲労感、集中力低下、イライラ、不眠などが現れる可能性があります。過剰摂取はまれですが、特にサプリメントで大量に摂ると下痢や腹痛を引き起こす場合があります。腎機能が低下している場合は過剰な蓄積による健康リスクがあるため注意が必要です。

摂取方法と推奨量

マグネシウムグリシネートの一般的なサプリ摂取量は、成人で1日200〜400mgのマグネシウムに相当する量が目安です。就寝前の摂取が推奨される場合が多く、睡眠の質向上や筋肉の弛緩効果をサポートします。食事由来では、ナッツ類、海藻、全粒穀物、緑黄色野菜などからもマグネシウムを補えますが、吸収効率を考慮するとサプリでの補助が有効です。

トレーニングやダイエットとの関係

マグネシウムグリシネートは筋肉の収縮と弛緩、エネルギー代謝に関与するため、運動パフォーマンスの維持や筋疲労の軽減に役立ちます。また、ストレス軽減や睡眠改善によってトレーニングの回復効率を高め、ダイエット中の代謝維持や栄養バランスの補助としても利用されます。

関連する研究・エビデンス

研究によると、マグネシウムキレートサプリ（特にグリシネート型）は酸化マグネシウムよりも吸収率が高く、下痢などの副作用が少ないことが報告されています。また、マグネシウム摂取は睡眠の質改善、筋肉のけいれん軽減、ストレスホルモン低下に寄与することが臨床研究で示されています。

よくある誤解や注意点

「マグネシウムグリシネートは多く飲めば筋肉増強に効く」という誤解がありますが、筋肥大の直接効果は限定的です。また、腎機能に問題がある場合は医師に相談せずに摂取するとリスクがあります。食事とのバランスを意識して、適量を守ることが重要です。