ヨウ素(ようそ)

ヨウ素(ようそ)とは?

ヨウ素(Iodine)は、人体に必須の微量ミネラルで、甲状腺ホルモンの合成に不可欠な元素です。英語表記は "Iodine" です。ヨウ素は主に海藻や魚介類に多く含まれ、体内では甲状腺に集積してホルモンの生成に利用されます。サプリメントとしても利用され、特にヨウ素摂取不足のリスクがある地域での補充に役立ちます。

生理学的・栄養学的な概要

ヨウ素は甲状腺で甲状腺ホルモン(チロキシンT4、トリヨードチロニンT3)の合成に不可欠です。これらのホルモンは体内の基礎代謝を調整し、エネルギー代謝、成長、神経発達、体温調節などの生理機能をサポートします。体内での貯蔵量は限られており、毎日の摂取が必要です。

期待できる効果・メリット

十分なヨウ素の摂取は、甲状腺機能の維持、基礎代謝の正常化、成長や発達のサポートに役立ちます。また、妊娠中の適切な摂取は胎児の脳や神経の発育を支え、代謝バランスの維持にも寄与します。体内でのホルモンバランスを整えることで、疲労感や体温調節の改善も期待されます。

不足・欠乏や過剰摂取の影響

ヨウ素が不足すると、甲状腺腫(甲状腺の腫れ)、甲状腺ホルモン不足による代謝低下、疲労感、知能発達への影響(特に胎児・乳幼児)が生じることがあります。過剰摂取では甲状腺機能亢進症や甲状腺炎のリスクがあり、長期の過剰摂取は健康障害につながる場合があります。

摂取方法と推奨量

ヨウ素は海藻類(昆布、わかめ、のりなど)、魚介類、卵、乳製品に多く含まれます。日本人の成人の目安摂取量は1日あたり130〜150μg程度です。サプリメントで補充する場合も、過剰摂取を避け、推奨量を守ることが重要です。

トレーニングやダイエットとの関係

ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に関わるため、基礎代謝の維持に関与します。基礎代謝が正常であれば、ダイエット中のエネルギー消費や体脂肪燃焼の効率が高まる可能性があります。運動時のエネルギー代謝や疲労回復にも間接的に役立ちます。

関連する研究・エビデンス

研究では、ヨウ素欠乏地域での補充により甲状腺腫の発生率が減少することが報告されています。また、妊娠中の適切なヨウ素摂取は胎児の神経発達や知能向上に寄与することが確認されています。過剰摂取の影響についても多くの臨床データがあり、摂取管理の重要性が示されています。

よくある誤解や注意点

「海藻を食べれば過剰に摂れる」という考えは誤解です。過剰摂取も健康リスクになるため、特にサプリメントとの併用時は注意が必要です。また、ヨウ素だけで甲状腺の健康が完全に守られるわけではなく、バランスの良い栄養摂取が重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. ヨウ素の主な食品は何ですか?

A1. 海藻類(昆布、わかめ、のり)、魚介類、卵、乳製品などに多く含まれます。

Q2. 1日の推奨量はどのくらいですか?

A2. 成人の場合、1日あたり130〜150μgが目安です。

Q3. サプリメントでの注意点はありますか?

A3. 過剰摂取は甲状腺障害のリスクになるため、推奨量を守り、医師に相談することが重要です。

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