ライシン(Lysin、またはリシン)は、体内で合成できない必須アミノ酸のひとつで、タンパク質合成や成長、修復に欠かせない栄養素です。英語表記は "Lysine" です。特に筋肉や骨、皮膚、免疫機能の維持に重要で、食事やサプリメントから補う必要があります。
ライシンはタンパク質の構成要素として使われるほか、カルニチンの合成にも関与します。カルニチンは脂肪酸をエネルギーに変換する際に重要な役割を果たすため、ライシンは間接的にエネルギー代謝にも寄与します。また、コラーゲン生成に関わることで、骨や皮膚、軟部組織の健康維持にも貢献します。
ライシンを十分に摂取することで、筋肉の成長や修復、免疫力向上、骨の健康維持に役立ちます。また、疲労回復やストレス耐性の向上、ヘルペスウイルス感染の予防・軽減にも効果が報告されています。特に運動後の筋肉回復や高タンパク質食と組み合わせたボディメイクに有効です。
ライシン不足は成長障害、免疫力低下、疲労感、貧血、ヘルペス再発のリスク増加につながることがあります。過剰摂取については、通常の食事からでは問題になりませんが、サプリメントで極端に摂取した場合は胃腸の不快感や下痢を起こすことがあります。
ライシンは肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品などの高タンパク食品に豊富に含まれます。成人の1日推奨摂取量は体重1kgあたり約30mgとされ、体重60kgの人でおおよそ1.8gが目安です。サプリメントとしても摂取可能で、運動前後やタンパク質摂取が不足しがちな場合に補助的に用いられます。
ライシンは筋肉の合成や回復に関わるため、筋トレや持久力トレーニングのパフォーマンス向上に寄与します。また、ダイエット中のタンパク質補給としても有効で、筋肉量の維持や代謝の低下防止に役立ちます。
研究では、ライシンの補充がヘルペスウイルスの再発抑制に効果的であることや、成長期の子供の身長・体重増加をサポートすることが報告されています。また、運動後の筋肉タンパク質合成を促進する効果も示唆されています。
「ライシンを摂ればすぐ筋肉がつく」という考えは誤解です。効果は適切な運動やバランスの良い食事と組み合わせて初めて得られます。また、通常の食事で極端に不足することは少ないため、サプリメントの過剰摂取には注意が必要です。
A1. 肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品に多く含まれています。
A2. 体重1kgあたり約30mgが目安で、体重60kgの人でおおよそ1.8gです。
A3. 食事で不足しがちな場合や、運動後の筋肉回復、ヘルペス再発の抑制に役立つ可能性があります。