栄養素・サプリ

ラクトフェリン

ラクトフェリンとは？

ラクトフェリン（Lactoferrin）は、母乳や牛乳、唾液、涙、血液などの体液に含まれる鉄結合性のグリコタンパク質です。ラクトフェリンは英語表記でもLactoferrinと書かれ、抗菌作用や免疫調整作用を持つことから、栄養補助食品やサプリメントとしても利用されています。特に母乳に多く含まれ、新生児の免疫サポートに重要な役割を果たします。

生理学的・栄養学的な概要

ラクトフェリンは体内で鉄イオンを結合することで、病原菌の増殖を抑制する作用があります。また、免疫系を活性化し、感染症予防や炎症の抑制にも関与します。さらに、腸管内で善玉菌の増殖を促す作用があり、腸内環境の維持や消化機能の改善にも寄与します。鉄の吸収を助ける効果も報告されており、貧血予防に間接的に関与することがあります。

期待できる効果・メリット

ラクトフェリンの摂取により、感染症予防や免疫力向上、腸内フローラの改善が期待できます。さらに、鉄の吸収を助けることで、貧血の予防や改善にも効果があるとされています。乳幼児や高齢者の健康維持、アスリートにおける免疫サポートとしても注目されています。

不足・欠乏や過剰摂取の影響

ラクトフェリンは体内で自然に生成されるため、通常の生活で不足することは稀です。ただし、母乳が不足する新生児や特定の疾患を持つ人では摂取量が少なくなることがあります。過剰摂取による健康被害は一般的には報告されていませんが、サプリメントを大量に摂取する場合は消化不良や腹部不快感が起こる可能性があります。

摂取方法と推奨量

ラクトフェリンは母乳、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品から摂取できます。また、サプリメントとしても摂取可能で、一般的には1日あたり100〜300mgを目安とする場合が多いです。免疫サポートや腸内環境改善を目的とする場合、継続的に摂取することが推奨されます。

トレーニングやダイエットとの関係

ラクトフェリンは運動による免疫低下の予防や腸内環境の改善に役立ちます。特に激しいトレーニングを行うアスリートでは、感染症リスクを低減し回復力を高める可能性があります。また、腸内環境を整えることで消化吸収が改善され、ダイエット中の栄養バランス維持にも有効です。

関連する研究・エビデンス

臨床研究では、ラクトフェリンの抗菌作用や免疫調整作用が確認されており、特に乳児や高齢者における感染症予防に有効であることが示されています。また、腸内フローラ改善や鉄吸収促進効果も複数の研究で報告されています。乳児においては母乳中のラクトフェリンが感染症予防や成長支援に重要であることが広く認められています。

よくある誤解や注意点

ラクトフェリンは「摂れば感染症に絶対かからない」と考えられることがありますが、あくまで免疫サポートやリスク低減の作用です。また、サプリメントで大量摂取すれば必ず効果が上がるというわけではなく、通常の食事や適量の摂取を継続することが重要です。過剰摂取による副作用は稀ですが、消化不良には注意が必要です。