ラクトース(乳糖)

ラクトース(乳糖)とは?

ラクトース(乳糖、Lactose)は、牛乳や母乳などの乳製品に含まれる二糖類の一種です。グルコース(ブドウ糖)とガラクトース(ガラクトース)が結合した糖で、甘みは砂糖の約1/6程度と比較的穏やかです。乳糖は英語でLactoseと表記され、赤ちゃんや乳幼児の主要なエネルギー源として重要な役割を持っています。

生理学的・栄養学的な概要

ラクトースは消化管で酵素ラクトース分解酵素(ラクターゼ)によりグルコースとガラクトースに分解され、吸収されます。これにより体内でエネルギーとして利用されるほか、腸内の善玉菌であるビフィズス菌の栄養源としても働き、腸内環境の改善に寄与します。また、乳糖はカルシウムやマグネシウムの吸収を助け、骨の成長や健康維持に貢献します。

期待できる効果・メリット

ラクトースはエネルギー源として即効性があり、特に乳幼児や成長期の子どもにとって重要です。また、腸内フローラのバランスを整えるプレバイオティクスとしての作用も期待できます。乳糖を含む食品はカルシウム吸収を助けるため、骨密度の維持や成長促進にも寄与します。

不足・欠乏や過剰摂取の影響

乳糖が不足することによる明確な欠乏症は少ないですが、乳幼児では母乳不足がエネルギー不足や成長障害につながる場合があります。一方、過剰摂取やラクターゼ不足により乳糖不耐症が発生することがあります。この場合、下痢や腹部膨満、ガスの発生など消化不良症状を引き起こすことがあります。

摂取方法と推奨量

ラクトースは母乳、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品から摂取できます。成人の場合、一般的に1日20〜30g程度の乳糖は健康に問題なく摂取可能ですが、乳糖不耐症の人は少量から始めるか、低乳糖製品を選ぶことが推奨されます。また、サプリメントとしての摂取は通常不要です。

トレーニングやダイエットとの関係

ラクトースは素早くエネルギーになるため、運動前の栄養補給や回復期の糖質補給に役立ちます。特に乳製品由来のタンパク質と組み合わせることで、筋肉の修復とエネルギー補給を同時に行うことができます。ただし、乳糖不耐症の人は腹部不快感を避けるため摂取量に注意が必要です。

関連する研究・エビデンス

乳糖の消化と吸収に関する研究では、乳糖が腸内の善玉菌増殖に寄与し、腸内環境改善に有効であることが示されています。また、乳糖がカルシウムやマグネシウムの吸収を促進することも複数の臨床試験で確認されています。乳幼児においては、乳糖は主要なエネルギー源として必須の栄養素であることが確立されています。

よくある誤解や注意点

ラクトースは「砂糖と同じく太る」という誤解がありますが、適量では体に必要なエネルギー源です。また、乳糖不耐症の人が乳製品を避けるべきという誤解もありますが、少量摂取や低乳糖製品であれば健康的に利用可能です。過剰摂取は消化不良を引き起こすため注意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 乳糖不耐症でもヨーグルトは食べられますか?

A1. はい。発酵過程で乳糖が分解されるため、少量であれば摂取可能な場合があります。

Q2. 成人でも乳糖は必要ですか?

A2. 成人では必須ではありませんが、カルシウム吸収や腸内環境改善のため適量の乳糖摂取は有益です。

Q3. 乳糖は運動前に摂るべきですか?

A3. 運動前に少量摂取すると即効性のエネルギーとして利用でき、筋タンパク質合成のサポートにもつながります。

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