栄養素・サプリ

リノール酸

リノール酸とは？

リノール酸（Linoleic Acid）は、オメガ-6系多価不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できない必須脂肪酸に分類されます。英語表記はLinoleic Acidで、植物油（ひまわり油、コーン油、大豆油など）に豊富に含まれ、健康維持や細胞機能に欠かせない栄養素です。

生理学的・栄養学的な概要

リノール酸は細胞膜の構成成分として重要で、膜の柔軟性や透過性を保つ役割があります。また、体内でアラキドン酸に変換され、炎症反応や免疫応答、血液凝固などに関与するエイコサノイドの生成に寄与します。さらに、皮膚のバリア機能をサポートし、水分保持や乾燥予防にも役立ちます。

期待できる効果・メリット

リノール酸は血中コレステロールのバランスを整える作用があり、動脈硬化や心血管疾患リスクの低減に寄与するとされています。また、皮膚の保湿・保護効果や炎症反応の調整に役立ち、ダイエットや筋肉維持中の脂肪代謝にも影響します。必須脂肪酸として、成長期の発育や免疫機能の維持にも重要です。

不足・欠乏や過剰摂取の影響

リノール酸が不足すると、皮膚乾燥、免疫力低下、発育不良、創傷治癒遅延などが起こる可能性があります。一方、過剰摂取はオメガ-3系脂肪酸とのバランスを崩し、炎症促進や心血管疾患リスク増加の可能性が指摘されています。バランスの良い摂取が重要です。

摂取方法と推奨量

リノール酸は植物油（ひまわり油、コーン油、大豆油、紅花油）やナッツ類、種子類に豊富に含まれています。一般的な目安は1日あたり総エネルギーの5〜10％程度をオメガ-6系脂肪酸から摂取することとされ、食事の油の種類を工夫することで適切に摂取できます。

トレーニングやダイエットとの関係

リノール酸は脂肪酸代謝をサポートし、エネルギー供給源として運動中の脂肪利用を助けます。また、筋肉の炎症や疲労の回復を間接的にサポートする働きがあります。ただし、オメガ-3系脂肪酸とのバランスを意識しないと炎症促進作用が強まることがあるため、ダイエットやボディメイクでは摂取源の調整が重要です。

関連する研究・エビデンス

リノール酸の摂取は血中コレステロール低下に寄与し、心血管疾患リスクを軽減する可能性が報告されています。また、皮膚バリア機能の改善や創傷治癒促進、免疫機能維持にも効果があるとされています。近年では、オメガ-6とオメガ-3の比率が炎症反応や慢性疾患に影響することも研究されています。

よくある誤解や注意点

「リノール酸は摂れば健康に良い」と単純に考えるのは誤りです。過剰摂取は炎症を促進する可能性があり、オメガ-3系脂肪酸とのバランスが重要です。また、サプリメントや精製油ばかりで摂るより、ナッツや種子などの自然な食品から摂取する方が健康への影響が安定するとされています。