リパーゼ(Lipase)は、脂肪を分解する酵素の総称で、体内で脂質の消化や吸収に欠かせない役割を持ちます。英語表記はLipaseで、膵臓、胃、口腔、肝臓などで分泌され、食品中のトリグリセリドを脂肪酸とグリセロールに分解してエネルギー利用可能な形に変換します。サプリメントとしても利用され、脂肪の消化・吸収サポートや体脂肪管理に役立つことがあります。
リパーゼは主に膵臓から分泌される膵リパーゼが代表的で、小腸内で脂肪を加水分解し、脂肪酸とグリセロールに変換します。胃リパーゼや口腔リパーゼも存在し、消化の初期段階で脂肪の分解に関与します。分解された脂質は小腸で吸収され、エネルギー源や細胞膜、ホルモン合成に利用されます。また、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収にも重要です。
リパーゼは脂肪の消化・吸収を助けるため、消化不良の改善や脂肪吸収効率の向上に役立ちます。サプリメントとして摂取すると、食事中の脂肪分解をサポートし、胃腸の負担軽減や栄養吸収効率の向上が期待できます。また、脂質代謝を助けることで、体脂肪管理やダイエットの補助効果も期待されます。
リパーゼの分泌不足や活性低下は、脂肪消化不良を引き起こし、脂肪便、下痢、体重減少、脂溶性ビタミン不足などの症状につながります。過剰摂取による重大な副作用は報告されていませんが、サプリメントの過量使用は胃腸不快感や下痢の原因となることがあります。
リパーゼは通常、体内で十分に分泌されるため、健康な人が食品から摂取する必要はほとんどありません。サプリメントとしては、消化サポート目的で食事と一緒に摂取することが多く、製品ごとに推奨量が異なります。医師の指導の下、膵臓機能が低下している場合に使用されます。
リパーゼは脂質代謝に関与するため、トレーニング時のエネルギー供給や脂肪燃焼効率に間接的に寄与します。特に高脂肪食やプロテイン・脂質を多く摂るダイエット中に、消化吸収をサポートし胃腸の負担を軽減する役割があります。ただし、リパーゼ自体が筋肉合成や脂肪燃焼を直接促進するわけではありません。
リパーゼの補助摂取は、膵臓機能不全患者の脂肪吸収改善や体重維持に有効であることが臨床研究で示されています。また、消化不良や脂肪吸収不良に伴う症状緩和に役立つことも報告されています。サプリメントとしての一般的な健康サポート効果についても、一部の研究で消化改善が確認されています。
「リパーゼを摂れば脂肪が勝手に減る」と考えるのは誤解です。リパーゼは脂肪を分解する酵素であり、脂肪燃焼や体脂肪減少を直接引き起こすわけではありません。消化不良や脂質吸収不足がある場合に補助的に使用するもので、健康な人は過剰摂取による効果は限定的です。
A1. リパーゼは主に体内で分泌される酵素で、食品由来のリパーゼはほとんど消化補助用として利用されます。パパイヤやパイナップルなどの果物には少量含まれます。
A2. 消化不良や脂肪吸収不良がある場合に医師の指導のもとで使用することが推奨されます。過剰摂取は下痢や胃腸不快感の原因となる可能性があります。
A3. 直接的な脂肪燃焼効果はありません。脂肪消化をサポートすることで間接的に消化負担を軽減する役割があります。