レジスタンストレーニング(Resistance Training)とは、自分の筋肉に対して負荷(抵抗)をかけることで筋力や筋持久力、筋肥大を目指すトレーニング方法である。日本語では「抵抗運動」や「筋力トレーニング」とも呼ばれる。英語表記は「Resistance Training」で、バーベルやダンベルを用いたフリーウエイト、トレーニングマシン、ゴムバンド(チューブ)、自体重トレーニング(腕立て伏せ、スクワットなど)といった多様な方法が含まれる。
運動生理学的に、レジスタンストレーニングは筋収縮に伴う負荷刺激によって筋繊維を損傷させ、それを修復する過程で筋力や筋肥大が起こる仕組みに基づいている。主に速筋線維(Type II)が高強度の負荷で動員され、神経系の適応や筋タンパク質合成の増加が筋力強化の基盤となる。また、骨密度の向上、ホルモン分泌の促進(テストステロン、成長ホルモンなど)、基礎代謝の増加にも寄与する。
レジスタンストレーニングは以下のように活用される。
さらに、スポーツ競技のパフォーマンス向上、ダイエットやボディメイク、リハビリテーションの一環としても応用される。
レジスタンストレーニングのメリットは多岐にわたる。
これらの点から、アスリートに限らず高齢者や一般人にとっても重要な運動様式とされている。
「レジスタンストレーニングをすると筋肉が付きすぎて重くなる」という誤解があるが、実際には目的や方法によって筋持久力や基礎代謝改善に重点を置くことも可能である。また「高齢者には危険」という認識もあるが、軽負荷やゴムバンド、自体重を活用すれば安全に行える。注意点としては、正しいフォームを維持すること、段階的に負荷を増やすこと、十分な休養を取ることが挙げられる。
研究では、週2〜3回のレジスタンストレーニングが筋力・筋量の維持や増加に有効であることが示されている。また、高齢者においても筋萎縮予防や転倒リスク低減に効果的とされ、医療や介護現場で導入されている。スポーツ選手の事例では、シーズン中に競技特性に合わせてレジスタンストレーニングを調整し、パフォーマンス維持と怪我予防に役立てている。
A1. 毎日の実施は推奨されません。同じ部位には48〜72時間の休養を与えるのが理想的です。
A2. はい。腕立て伏せやスクワット、プランクなど自体重を利用した運動も立派なレジスタンストレーニングです。
A3. はい。筋量が増えることで基礎代謝が向上し、脂肪燃焼効果が高まるためダイエットに有効です。