ロイシン(Leucine)は、必須アミノ酸の一種であり、体内で合成できないため食事やサプリメントから摂取する必要があります。英語表記はLeucineで、タンパク質を多く含む肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品などに豊富に含まれます。特に筋肉の合成やエネルギー代謝に重要な役割を果たすため、スポーツや筋力トレーニングにおいて注目される栄養素です。
ロイシンは筋タンパク質の合成を直接刺激する「mTOR経路」を活性化することで、筋肉の成長や修復に寄与します。また、肝臓での糖新生を調整し、運動中のエネルギー供給や血糖維持にも関与します。さらに、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の一種として、疲労物質である乳酸の蓄積を抑制する作用も報告されています。
ロイシンの主な効果には、筋タンパク質合成の促進、筋肉量の維持・増加、運動後の回復促進があります。また、分岐鎖アミノ酸として持久力向上や筋疲労の軽減にも寄与する可能性があります。高齢者においても、筋肉量維持やサルコペニア予防に役立つことが研究で示されています。
ロイシンの不足は筋肉量の減少、疲労感の増加、成長障害(子供の場合)などにつながることがあります。一方で、過剰摂取は腎臓に負担をかける可能性があり、特に腎機能が低下している人は注意が必要です。一般的な食事からの摂取で過剰になることは稀ですが、サプリメント利用時は目安量を守ることが重要です。
ロイシンは肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品などに多く含まれます。サプリメントとしてはBCAAやロイシン単体で摂取可能で、運動前後や筋トレ直後に摂ることで効果が期待できます。成人の1日推奨量は約2〜4g程度とされ、筋肉量増加を目的とする場合は体重やトレーニング強度に応じて調整されます。
ロイシンは筋タンパク質合成を強力に促進するため、筋肥大やトレーニング後の回復に非常に有効です。また、減量中の筋肉量維持にも役立ちます。高強度トレーニングや長時間の有酸素運動では、BCAAの補給としてロイシンを取り入れることがパフォーマンス維持に寄与する場合があります。
臨床研究では、ロイシンの摂取が筋タンパク質合成を促進し、筋肥大や筋肉量維持に寄与することが示されています。また、高齢者の筋肉減少(サルコペニア)予防にも有効であることが報告されています。運動生理学の研究では、BCAA補給による筋疲労軽減や持久力向上の可能性も確認されています。
「ロイシンを摂れば運動しなくても筋肉がつく」「大量に摂れば筋肥大が最大化する」といった誤解があります。ロイシンは筋タンパク質合成をサポートしますが、トレーニングと組み合わせることが前提です。また、腎機能が低下している人は過剰摂取に注意が必要です。
A1. 肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品などのタンパク質豊富な食品に多く含まれています。
A2. 成人で1日2〜4gが目安ですが、体重やトレーニング強度に応じて調整します。
A3. 食事からの摂取と併せることで、より効果的に筋タンパク質合成をサポートできます。