ワンモーション法とは?

ワンモーション法(One Motion Method)とは、筋力トレーニングやスポーツ動作において、一連の動作を途切れさせず「流れるように」実施する方法を指す。英語表記は「One Motion」で、日本語では「一連動作法」「連続動作法」とも呼ばれる。特にウエイトトレーニングでは、挙上動作やフォームを分割せず、スムーズに行うことで動作効率や筋肉への刺激を高める狙いがある。

理論的な背景・概要

運動生理学的には、ワンモーション法は「ストレッチショートニングサイクル(SSC)」を活用する理論に基づく。SSCとは、筋肉が伸張された直後に素早く収縮することで発揮される力の増幅現象であり、跳躍や投擲など多くのスポーツ動作に関与している。トレーニングにおいてワンモーション法を取り入れることで、筋力だけでなく動作の協調性や神経系の効率も向上する。

トレーニングや動作への応用

ワンモーション法は以下のように応用される。

  • ベンチプレスやスクワットで、下げてから一瞬止めずにそのまま押し上げる
  • 懸垂で、下げてから途切れなく引き上げる
  • オリンピックリフティング(クリーン、スナッチ)におけるスムーズな引き上げ
  • スポーツスキル(ジャンプ、スプリント)での連続した爆発的動作

この方法により「勢い」を活用しつつも、動作を途切れさせないことで効率的なパワー発揮が可能になる。

メリットと意義

ワンモーション法のメリットは以下の通りである。

  • 動作効率の向上により扱える重量が増える
  • ストレッチショートニングサイクルを活かしてパワー発揮を最大化できる
  • 競技動作に近い「流れのあるフォーム」が習得できる
  • 関節や筋肉への過度な静的負担を軽減できる

特にパフォーマンス系競技者にとっては、実戦的な動作強化の意義が大きい。

よくある誤解や注意点

「ワンモーション法=反動を使ったチーティング」と誤解されることがあるが、本来は正しいフォームを維持した上で動作をスムーズにつなげる技術である。また「必ず安全」というわけではなく、動作を急ぎすぎるとフォームが崩れ怪我につながる恐れがある。初心者はまずコントロールした動作を習得し、その上でワンモーション法を導入するのが望ましい。

関連する研究や実例

研究では、SSCを利用した動作が筋力発揮やパフォーマンス向上に有効であることが示されている。オリンピックリフティングやプライオメトリックトレーニングも「ワンモーション的」な動作の代表例であり、これらは跳躍力や短距離走のパフォーマンス向上に寄与する。実例として、パワーリフターやアスリートが高重量挙上や競技動作の効率化のためにワンモーション法を取り入れている。

よくある質問(FAQ)

Q1. ワンモーション法は初心者でも取り入れていいですか?

A1. 初心者はまずコントロール重視のフォームを習得し、その後に導入するのが安全です。

Q2. どんな種目で効果的ですか?

A2. ベンチプレス、スクワット、懸垂、クリーンやスナッチなどの連続動作が重要な種目で特に効果的です。

Q3. ワンモーション法は高重量でも使えますか?

A3. はい。ただし重量が増えるほどフォームが崩れやすいため、補助者やセーフティ器具の利用が推奨されます。

  • ストレッチショートニングサイクル(SSC)
  • チーティング法
  • オリンピックリフティング
  • プライオメトリクストレーニング