亜鉛(英語表記:Zinc)は、人体に必須の微量ミネラルで、酵素の構成成分や代謝の補助因子として重要な役割を持ちます。読み方は「あえん」で、体内では成長、免疫機能、傷の治癒、味覚や嗅覚の維持などに関与します。食事から摂取する必要がある必須元素であり、サプリメントとしても広く利用されています。
亜鉛は、約300種類以上の酵素の構造や活性に関与し、タンパク質・核酸の合成、細胞分裂、免疫応答、ホルモン調節に重要な役割を果たします。特に、成長ホルモンの分泌や性ホルモンのバランス、味覚・嗅覚の維持に不可欠です。また、抗酸化酵素の補酵素としても機能し、細胞を酸化ストレスから保護します。
亜鉛の摂取により、免疫力の向上、創傷治癒促進、味覚・嗅覚の改善、髪や皮膚の健康維持が期待できます。また、男性では精子の生成や性機能維持に関与し、筋肉の成長や回復をサポートすることも報告されています。ストレスや疲労時の体調維持にも寄与します。
亜鉛不足は、成長障害、免疫力低下、味覚・嗅覚異常、皮膚炎、脱毛などを引き起こす可能性があります。一方、過剰摂取は銅欠乏、吐き気、下痢、腹痛、免疫機能低下などの副作用をもたらすことがあります。サプリメントで摂取する場合は、1日あたりの推奨量を守ることが重要です。
亜鉛は、牡蠣、赤身肉、レバー、ナッツ、種子類、全粒穀物などの食品に多く含まれます。成人の1日推奨摂取量は男性で約11mg、女性で約8mgです。サプリメントでは1日あたり10〜15mgを目安に摂取することが一般的です。吸収を妨げるフィチン酸を含む穀物と同時摂取する場合は注意が必要です。
亜鉛は筋肉の成長や回復、テストステロン分泌に関与するため、筋力トレーニングや筋肥大を目指すボディメイクに重要です。また、ダイエット中の体調維持や免疫サポートにも役立ちます。運動による汗や尿で失われやすい栄養素のため、適切な補給が推奨されます。
亜鉛補給が免疫機能を改善することは多数の臨床研究で示されています。特に、風邪や感染症の予防、創傷治癒の促進、味覚障害の改善に効果が報告されています。また、スポーツ選手における筋力維持やテストステロン分泌の改善にも寄与する可能性があります。
「亜鉛を大量に摂れば免疫力が無限に上がる」「サプリを飲めば不足の心配がない」といった誤解があります。適量を守らないと銅欠乏や消化器障害のリスクがあります。また、食品からの摂取とサプリメントを併用する場合は、総量を意識する必要があります。
A1. 食事中または食後に摂取すると吸収率が高くなります。空腹時の摂取は胃に負担をかける場合があります。
A2. 味覚・嗅覚の異常、抜け毛、疲れやすさ、免疫力低下などの症状が現れる場合があります。血液検査で評価されることもあります。
A3. はい。過剰摂取は銅欠乏や吐き気、下痢、免疫機能低下の原因になるため、推奨量を守ることが重要です。