基礎代謝(きそたいしゃ、Basal Metabolic Rate: BMR)とは、安静状態にあるときに生命維持のために消費される最小限のエネルギー量を指します。呼吸、心拍、体温維持、内臓の働きなど、生きるために必要な最低限の代謝活動に使われるエネルギーが対象です。英語表記は Basal Metabolic Rate です。
基礎代謝は主に肝臓、心臓、腎臓、脳などの代謝活性の高い臓器で消費されます。筋肉量や内臓の活動、ホルモン(甲状腺ホルモン、成長ホルモンなど)、年齢、性別によって個人差があります。一般的に筋肉量が多いほど基礎代謝は高く、加齢に伴い低下します。また、体温や神経系の活動も基礎代謝に影響します。
筋力トレーニングや有酸素運動は基礎代謝を高める効果があります。特に筋肉量の増加は安静時のエネルギー消費を増加させるため、基礎代謝の向上につながります。また、運動後のEPOC(運動後過剰酸素消費)も一時的に代謝を高め、脂肪燃焼効率を上げる要因となります。
基礎代謝は体重管理、エネルギーバランス、健康維持において非常に重要です。基礎代謝が低下すると同じ食事量でも体脂肪が増えやすくなり、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。逆に、基礎代謝を高めることで効率的にカロリーを消費し、体組成改善や健康寿命の延長に寄与します。
研究によると、筋肉量の増加は基礎代謝を約13〜25kcal/日/kg向上させると報告されています。また、甲状腺機能が低下すると基礎代謝が低下し、体重増加や疲労感を伴うことが知られています。有酸素運動や高強度インターバルトレーニング(HIIT)も一時的に基礎代謝を向上させることが実験で確認されています。
基礎代謝は「安静時の消費エネルギー」であり、運動による消費カロリーとは別物です。また、単に食事制限をしても基礎代謝は下がることがあり、極端なダイエットは逆効果となる場合があります。正しい筋力トレーニングや栄養管理により、基礎代謝を健康的に維持・向上させることが重要です。
A1. はい。加齢により筋肉量が減少するため、基礎代謝は徐々に低下します。
A2. 筋力トレーニングで筋肉量を増やすこと、有酸素運動で代謝を刺激することが効果的です。
A3. 急激な食事制限は基礎代謝を低下させることがあり、リバウンドや脂肪蓄積の原因になることがあります。