筋節(きんせつ、サルコメア、Sarcomere)とは、筋原線維を構成する最小の収縮単位で、筋肉の収縮力を生み出す基本的な構造です。読み方は「きんせつ」、英語表記は Sarcomere です。筋節はZ線(Z disc)で両端が区切られ、アクチンフィラメント(細いフィラメント)とミオシンフィラメント(太いフィラメント)が規則正しく並ぶことで収縮運動が可能になります。
筋節はアクチンとミオシンの滑走によって長さが変化し、これが筋収縮のメカニズムとなります。Z線間の長さは安静時に約2.2μmで、収縮時には短縮します。A帯(ミオシンの長さ)、I帯(アクチンのみの領域)、H帯(ミオシンのみの領域)などの異なる帯構造を持ち、収縮と弛緩に伴い帯の長さが変化することで筋全体の収縮が実現されます。
筋力トレーニングやレジスタンストレーニングでは、筋節内のアクチン・ミオシンフィラメントが増加し、筋原線維の太さが増すことで筋肥大が起こります。また、筋節の長さや構造は筋肉の収縮速度や力の発揮に影響するため、トレーニングにより機能的な適応が可能です。例えば、速筋を重点的に鍛えると筋節の収縮速度を高める変化が生じます。
筋節は筋肉の収縮単位であり、筋力や運動能力を決定する上で非常に重要です。筋節の健康や構造の維持は、パフォーマンスの向上だけでなく、筋損傷の予防や疲労耐性の向上にも寄与します。筋節の機能低下は筋萎縮や筋力低下の原因となります。
研究では、筋節の長さや構造が筋収縮速度や筋力と相関することが示されています。運動による筋肥大では、筋節内のミオシンフィラメントやアクチンフィラメントが増加することが確認されており、サルコメアの増加や配列の調整が筋力向上の基礎となることがわかっています。また、加齢や不活動により筋節の機能低下が筋力減少に直結することも報告されています。
筋節は筋原線維そのものではなく、筋原線維内の収縮単位です。筋肥大は筋節の長さが変わるわけではなく、フィラメント数や筋原線維の太さが増加することで起こります。また、筋節の数自体は成人ではほとんど増えませんが、運動によって効率的な収縮能力は向上します。
A1. 収縮や弛緩により筋節の長さは短くなったり伸びたりしますが、構造自体は変化しません。
A2. 成人では筋節の数はほとんど増えず、主に筋原線維の太さやフィラメント量の増加が筋力向上に寄与します。
A3. アクチンとミオシンのフィラメントが滑り込み、サルコメアの長さが短くなることで収縮が起こります。